機能安全登録適合性証明機関 登録番号2

安全・環境マネジメント協会

ワールドスピリット

2022年8月26日 日本における機能安全の動向(第2話)


-制御技術の進化と機能安全規格

技術の発達により、安全関連系の制御は、人が関与する機械的な制御(機械制御)から電子機器を使用した制御(電子制御)に移ってきています(下図)。

機械的な制御

しかし、電子制御には欠点があります。それは、「目に見えない」ということです。人は目に見えないことに対してその信頼性に非常に不安を抱きます。

ということは、見える化が必要です。そのために、電子制御のかなめ、ハードウェアとソフトウェアを定量的に評価する手法、それが機能安全規格です。


-機能安全導入のメリット

➀ マーケティング

機能安全規格を活用して電子制御を見える化することで、自社商品やシステムの優位性をお客様や第三者にアピールできる。

② 自身の身を守る

何かあったときに自分たちの安全への取り組みを定量的に第三者に説明することで、自身の身を守ることができる経営上のメリット。

③ 開発の後戻りが少なくなる

筆者の経験ですが、見える化を設計に取り入れることになるので、開発全体のあと戻りがすくなくなる、初期不良の低減ができる、などの良い事例が出てきています。

④ 環境負荷の低減(エネルギーの使用量が減る)

従来の安全は構成部品間のポジティブな関係を構築しなければならなかった(=物理的パワーを非弾性体で伝える)。しかし、これを電気信号で置き換えることが合出来るので、エネルギー使用量を抑えることが出来る。

⑤ 配線工数の低減

従来の配線作業量が圧倒的に少なくなります。 したがって、手間暇の低減(コスト減)、人為的ミスの削減ができる。


などなど、多くのメリットを享受できるようになりますので、機能安全の導入をしない手はありません。


- 日工の知っておきたい小冊子シリーズ(IEC 61508認証安全PLC & 計器製品ガイド2018(2018年10月)「国内における機能安全の動向(機能安全の重要性、導入手順と証明)」より抜粋、加筆修正